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ST竹下

4月2日は何の日か知ってますか?

突然ですが、皆さんは毎年4月2日が何の日か知っていますか?正解は、国連が制定した「世界自閉症啓発デー」なんです。また、4月2日~4月8日までを「発達障害啓発週間」とされており、自閉症をはじめとする発達障害への理解促進のために集中啓発を行っています。今回は“自閉スペクトラム症”について少しお話をしていきたいと思います。


●自閉スペクトラム症とは?

これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていましたが、2013年のアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の発表以降、自閉スペクトラム症(ASD;Autism Spectrum Disorder)としてまとめて表現されるようになりました。自閉スペクトラム症は、多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる先天性の脳機能障害で、人口の1%に及んでいるとも言われています。


●自閉スペクトラム症の診断について

DSM-5に記述されており、下記などの条件が満たされたときに診断されます。

1.複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること

2.行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること(情動的、反復的な身体の運動や会話、固執やこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さなど)

3.発達早期から1,2の症状が存在していること

4.発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること

5.これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと

さらに、知的障害、言語障害の有無を明らかにし、ADHD(注意欠如・多動症)との併存の有無を確認することが重要とされてきております。DSM-IVでは認められなかった自閉スペクトラム症とADHDの併存が、DSM-5では認められています。また、他の遺伝学的疾患(レット症候群、脆弱X症候群、ダウン症候群など)の症状の一部として自閉スペクトラム症が現れることがあります。


●自閉スペクトラム症の症状

重症度は個人差がありますが、言葉の遅れ、反響言語(オウム返し)、会話が成り立たないなど言語やコミュニケーションの障害が認められることが多いようです。乳児期早期から、視線の合いにくさや抱っこを嫌がる、こだわりが強いなどの症状がみられます。幼児期にはいると、身振りや手振りなどをまねする、他者と関心を共有することができず社会性の低下なども見受けられます。学童期以降も友だちができにくい、関わりが一方的だったりと感情の共有にも苦手があり対人関係を築くのが難しくなります。また、感覚過敏や鈍麻など感覚の問題もみられやすいことも特徴的です。


●自閉スペクトラム症の治療

症状によっては内服の服用によって軽減する場合があります。ただ、個々の発達ペースに沿った療育や支援などが重要となります。


●自閉スペクトラム症の支援

SST(ソーシャルスキルトレーニング)や写真や絵カードを使用することで見通しをもった関わりを行うことが大切です。また、個人の特性に合わせた生活環境の見直しや学習しやすい環境への配慮も重要です。


自閉症だけに関わらず「発達障害」ということばを聞く機会が増えてきました。この記事を通して「発達障害」について知ってくれる方々が増えると嬉しいです。



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