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NS青木

肝臓病

☆アルコール性肝障害

アルコール肝障害は、アルコールを長期間、大量に摂取することで起こる肝臓の病気です。一般的な目安として、大量のアルコール摂取が5年以上続くと肝臓に何らかの異常が生じるとされています。

 アルコール性肝障害は、肝臓の状態によっていくつかの段階に分類され、最も進行したアルコール性肝硬変に至ると高い確率で肝癌が生じ、命に関わることがあります。日本人はアルコールの分解過程で発生する有害物質であるアセトアルデヒドが体内に長時間留まりやすく、欧米人に比べて少ない飲酒量でアルコール性肝障害を発症しやすい傾向にあります。

 肝臓の主な働きは、①栄養素を体内で利用できる形に作りかえる②アルコールなど体内の不要物の分解、解毒③胆汁を作る④ブドウ糖の貯蔵があります。アルコールを摂りすぎると解毒しきれなくなり、分解過程で生じた有毒物質のアセトアルデヒドが肝臓内に長時間留まり肝臓の細胞が壊されてしまいます。肝臓がダメージを受け続けると、肝臓内に中性脂肪が多く蓄積しアルコール性脂肪肝になります。この状態は断酒により健康な状態に戻ることができます。脂肪肝が進行して肝臓に炎症が起こった状態をアルコール性脂肪肝炎と言います。これはコラーゲンなどが蓄積し肝臓の繊維化が進行します。脂肪肝炎が進行すると肝細胞の破壊が繰り返され肝臓が硬く小さくなり、アルコール性肝硬変へとなり黄疸や腹水、意識障害が現れることもあります。一度肝硬変に進行すると健康な状態に戻すのは非常に困難です。また、これらの状態からさらに大量飲酒をきっかけに肝臓の細胞が破壊され、壊死が起こり肝臓に激しい炎症が起こるとアルコール性肝炎となります。

☆脂肪肝

 肝臓に中性脂肪が溜まって肝細胞の5%以上に脂肪蓄積が起こった状態を脂肪肝と言います。脂肪肝は主にアルコール性肝障害と非アルコール性脂肪性肝疾患があります。非アルコール性脂肪性疾患は、食べすぎや運動不足などで、摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回ると肝臓に中性脂肪が溜まっていきます。さらに肥満があるとインスリンという血糖値を下げるホルモンの働きが低下するため、血糖値が上昇して中性脂肪がされに蓄積されるようになります。肥満がなくても遺伝的な要因や痩せすぎ、過度なダイエット、女性ホルモンの分泌減少などが原因で起こることもあります。

 

☆肝臓の異常の発見

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるように何らかの異常があっても自覚症状がないことがほとんどです。食欲がない、お腹が張る、疲れやすいなどの自覚症状が現れて時には病気が進行している事が多くあります。

血液検査の結果では、γGTP、ALT(GTP)、AST(GOT)という3つの酵素に注目しましょう。γGTPは、肝細胞の膜上に存在する酵素の1つでアルコールを大量に摂取すると血液中の量が増えます。ALTは、肝細胞に多く含まれる酵素の1つで、肝細胞などが壊れると血液中の量が増えます。ASTは、体のさまざまな場所にある酵素で肝臓などの細胞が壊れると血液中の量が増えます。

早期発見のためにも1年に1度は健康診断や人間ドックで血液検査を受けましょう。


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