新生児の哺乳には乳汁を「吸う」というイメージがありますが、実際の哺乳運動は、舌が連続して波を打つような働き(蠕動運動)と口腔内圧を高めることにより乳汁を押し出し飲み込むといった一連の動作が行われております。
お母さん達から「吸いつき(吸着)が悪くて…」とよくご相談を受けますが、舌の力が弱いのではなく、何らかの理由で口腔内に隙間ができやすく乳汁を押し出すことができていない場合も現状として少なくありません。
正期産児の頬の内側には「ビシャの脂肪床」という頬の膨らみがありますが、早産児は脂肪床の発達が乏しく乳首と口唇や頬の間に隙間ができやすくなります。また、早産児は頭部が細長い形状になりやすいため上顎の乳首がはまるくぼみも狭く、乳首と上顎にも隙間ができやすくなります。口唇口蓋裂児においても同様で、器質的な問題により口腔内圧が高まりにくく哺乳が上手くできないということになります。
まずは、お子さんにあった乳首を選択することが重要となりますので「吸いつきが悪い」と感じた場合は、お近くの小児科にご相談し、他の人工乳首を試してみても良いかもしれません。
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