今回は、学習障害の一つであるディスレクシアについてお話をしたいとい思います。
●ディスレクシアとは
文字を読むことに困難がある障害を指す通称です。ギリシャ語由来ですが、日本語では難読症、識字障害、読字障害という呼ばれ方をしています。また、読むだけでなく書くことも困難なケースが多いことから、発達性読み書き障害と呼ばれることもあります。
文字を書くのが困難な障害をディスグラフィアといい、別の障害として区別されていますが、読むのも書くのも難しいという方が多いです。
ディスレクシアは、学習障害のひとつのタイプに分類され、全体的な発達には遅れはないのに文字の読み書きに限定した困難さが生じます。そのことによって学業不振が現れたり、二次的な学校不適応などが生じる疾患です。1896年に英国のMorgan先生が最初に報告したとされています。
●ディスレクシアの人口比率
ディスレクシアの人がどのくらいいるのかは正確にはわかっていません。これは統計が発表されていないためです。英語圏では特に発症率が高いとされています。
●失読症との違い
ディスレクシアと似たような障害として失読症が挙げられますが、この2つは明確な違いがあります。
・ディスレクシア:発達性学習障害(LD)の1つ
・失読症:脳の損傷によって起きる高次脳機能障害の1つ
つまり、ディスレクシアが先天的に読み書きが困難な状態を指し、失読症は後天的に読み書きが困難になった状態を指します。
●ディスレクシアの主な症状
個人差はありますが、ディスレクシアの症状は大きく2種類に分けられます。「文字の読み方がわからない」タイプと「文字の形がわからない」タイプです。それぞれ音韻処理不全、視覚情報処理不全とされています。
少し長くなりそうなので、タイプ別の症状については次回お話ししたいと思います。
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