だんだんと暑さが増し、もうすぐ夏本番ですね。炎天下での仕事や運動、寝不足、食欲不振などの不規則な生活が続くと、免疫力が低下してさまざまな感染症を引き起こす原因になります。今回は咽頭結膜熱についてお話ししていきます。
■ 咽頭結膜熱(プール熱)とは
アデノウイルスが引き起こす風邪の1つです。プールでの感染が多く見られることから、「プール熱」とも呼ばれています。6月頃から感染が増え始め、7月~8月をピークに流行する傾向にあります(流行は夏ですが、プール熱は1年を通して感染します)
■症状
潜伏期間は、5-7日です。喉の痛み、結膜炎、39℃前後の高熱が数日から1週間続きます。頭痛や食欲不振が数日続くこともあります。眼の症状としては、目が充血し、涙が多くなり、まぶしがることがあります。
■感染経路
咳やくしゃみなどによって感染する「飛沫感染」と、目やになどが感染源になるため、同じタオルを使ったり、手指を介した「接触感染」によって感染します。また、塩素消毒が不十分なプールに入ることでも感染が起こります。
■対処法
アデノウイルスに対する特効薬はありません。喉の痛みには、鎮痛薬の内服やこまめなうがいが効果的です。また、目やにや結膜炎には抗生剤やステロイドの点眼薬を使い、眼のかゆみが強い時には、抗ヒスタミン薬やステロイドの点眼薬を処方されることがあります。
喉の痛みがあるので、飲み物食べ物は刺激のあるものは避け、のどごしの良い少し冷たいものがおすすめです。
■予防
喉からから2週間、便から30日間ウイルスが排出されるので、おむつの取扱いにも十分に注意して、おむつ交換後の流水・石鹸による手洗いの実施が重要です。また、目やにが感染源となるため、タオルはそれぞれ別のものを使用したり、ティッシュなどの使い捨てのものでふき取ってすぐ捨てましょう。目やにや唾液がたくさん付着したタオルは、洗濯機で洗っても感染する場合があるので、分けて洗うことをおすすめします。感染してしまった人は、入浴の順番を最後にするといった心配りも感染拡大予防につながります。
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