胃管とは口から栄養摂取が出来ない場合に口や鼻からチューブを入れて栄養摂取のための経路を確保するものです。
胃管は大まかに分けて経鼻胃管(NGチューブ)と経鼻十二指腸チューブ(EDチューブ)に分かれます。
ここからはそれぞれのチューブの特徴についてお話していきます。
経鼻胃管(NGチューブ)
特徴:チューブの先端が胃の中にあるチューブです。そのため、逆流などをきっかけに誤嚥のリスクがあります。比較的挿入が容易なチューブになるため、ご家族が挿入することが出来ます。
経鼻十二指腸チューブ(EDチューブ)
特徴:チューブの先端が十二指腸にあるチューブです。そのため誤嚥のリスクが低くなっています。挿入の際はX線透視下またはエコーによるガイドが必要です。経鼻胃管より閉塞しやすいという特徴があります。
ここからは管理をする上での注意点をお話します。
チューブの自己抜去
特にミルクなどを注入している時の自己抜去は誤嚥の可能性が高くなるため特に注意が必要です。自己抜去の予防については、①チューブをしっかり固定する。チューブを固定する時にチューブの浮きを作らないことがコツになります。浮きがあるとそこに指が引っかかり自己抜去に繋がる可能性があります。②チューブをまとめて衣服に留めたり、タオル等で隠す。引っ掛けて抜くことを予防したり、子どもの視界に入らないように配置して自己抜去を予防します。それでも自己抜去してしまう場合にはミトン手袋等を装着してチューブを掴んだり、引っかけることを予防しましょう。
チューブの閉塞
ミルクの残りや、薬剤によってチューブが閉塞することがあります。そのため、薬はしっかり溶かしてから注入する。また使用前後には白湯を通して、チューブ内にミルク等が残らないようにしましょう。EDチューブは特に閉塞しやすいため、白湯をしっかり流していても閉塞してしまう場合があります。その時は酢水でロックするという方法もありますので、医師や看護師に相談してください。
胃残について
注入の前に胃残を確認しますが、その際に引けたもの性状の理由と対処方法についてお話していきます。
・空気がたくさん引ける:普段から空気を飲み込んでいる可能性があります。空気がたくさん引けた時は、全て捨ててください。胃に戻すと嘔吐の原因になります。
・注入したものが引ける:前回注入したものが消化されていません。引いた物を戻して、1時間程度時間を空けてもう一度確認してください。それでも残っている時は差し引き注入をしましょう。どのくらいの量引けたら差し引き注入にするかは医師の指示に従ってください。
・透明、白いものが引ける:胃液です。胃の中に戻します。量が多くなければ、そのまま注入してください。多い場合は差し引き注入をしてください。
・緑色または黄色のものが引ける。:胆汁です。腸の動きが悪い可能性があります。
引いた物は捨ててください。ミルクは予定量を入れてください。嘔吐があったり、続く場合には受診をしてください。
・コーヒー様、血液が引ける:消化管のどこで出血している可能性があります。便の色にも注意してください。胃からの出血の場合黒い便が出ます。引けたものを捨てて、注入してください。量が多かったり、続くときは受診してください。
今回は以上になります。何かご不明な点、困ったことがあればお気軽にご相談ください。
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