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ST緒方

子どもの言い間違いについて


 子どもは大体1歳ころから言葉を話すようになりますが、大人と同じように言葉をつかえるようになるにはもう少し時間がかかります。

例えば、言葉を覚えたばかりの子が犬以外の動物をみて「わんわん」と言ったりすることがあります。「わんわん」を覚えた時点では、「犬ってどういう動物なのかな?」ということがまだはっきりわかっていないことがあるのかなと思います。そのため、子どもの中で「これは『わんわん』に似ているな」と感じたものに、「わんわん」と呼んでいるのだと思います。生活の中でいろいろな「わんわん」を経験する、他の動物の名前を覚えることで、少しずつ言い間違いは減っていきます(「ねこ」など)。一つの言葉をしっかり理解するためには、同じ仲間の他の言葉を覚えていくこと、生活の中でいろいろな経験を重ねていくことが大事になります。

言葉を覚えるときに大事なことは、実際の経験とつなげながら覚えていくことです。「りんご」という言葉も、一緒に食べながら味、固さ、食感などを言葉にして共有することが大切です。耳から聴くだけでなく五感を活用して覚えていくと、コミュニケーションの中で使うことも上手になります。また、言葉をいろいろ覚えてくると、例えば「ねこ」と「わんわん」は違う動物であることがわかってきます。そうすれば、ねこを「わんわん」と言うことはなくなり、他の動物の名前を覚えていくことで言い間違い自体もみられなくなってきます。

もし言葉を覚えたての子どもが、名前を言い間違えていたとしても、「今、この子は一生懸命言葉を覚えようとしているんだな」と温かい目でみていただければなと思います。

やんわりと「わんわんだね。」、「ねこさんだね。」と返してあげてください。何よりも一緒にいろいろな物事を共有していくことが、言葉の発達には大事なことです。



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