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NS吉岡

糖尿病の治療や低血糖について

皆さんの周りに、糖尿病の方はいらっしゃいませんか。糖尿病の治療を受けている最中の方や既往歴に糖尿病がある方など・・・。日本には950万人の糖尿病患者さんがいるといわれています。糖尿病予備軍も含めると2000万人以上にものぼると推計されています。糖尿病は「生活習慣病」といわれており、年々増加傾向です。その背景には、食生活の変化や運動不足などが大きく関わっています。 こんなにたくさんの糖尿病患者さんがいますが、糖尿病が疑われる人の4割近くはほとんど治療を受けていません。糖尿病は初期症状がほとんどないため、気付かず、治療せずにそのまま放置している人が多いのです。今回はインスリン治療や低血糖についてお話ししていきます。


■糖尿病の種類

①1型糖尿病:膵臓のインスリンを分泌する細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されない状態。子どもや若い人に多く、生きていく上でインスリン注射が欠かせません。

②2型糖尿病:インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなる状態。40歳以降の成人に多い。日本の糖尿尿患者の95%が2型糖尿病です。


■インスリン治療とは

健康な人は、血液中に少量のインスリンが常に分泌されています。ご飯を食べて、食後に血糖値が上昇すると大量のインスリンが分泌されて、血液中のブドウ糖の量が一定に保たれるよう、血糖値の調整が行われています。


1型糖尿病は、このインスリンが不足している、または全く分泌されないので、この調整を行うことができません。1型糖尿病ではインスリン製剤を自己注射することで体の外から補って、血糖コントロールを図ります。これがインスリン療法です。

2型糖尿病でも、1型糖尿病が疑われたり血糖コントロールが内服だけでは上手くいかない場合に用いられます。


■インスリン注射

指示された時間に自己注射します。注射する部位は、太もも、腹壁(お腹)、腕などです。毎回同じ場所に打つと、皮膚が固くなってしまので、2~3cmくらいずつずらして打ちましょう。注射針はとても細いものを使います。長さはいくつか種類がありますので、皮下組織に届く長さのものを選びましょう。針が筋肉にとどいてしまう場合には、注射部位をつまんだり、針を少し斜めに射すこともありますが、通常は、最も短い4mmの針を使って皮膚に対して垂直に根元まで刺します。


インスリン注射は難しいと思っていませんか?注射器等どんどん進歩していて、とても簡単に注射できるようになっています。例えば、インスリンペン型注入器というとても便利な注射器が開発されて、手軽にインスリン注射ができます。自己注射の方法は、医師や看護師が指導してくれますので、不安なことがあれば遠慮なく相談しましょう。


■低血糖

低血糖とは血糖値が正常範囲以下に下がった状態のことをいいます。空腹時の血糖値は約70〜90mg/dlです。血糖値が70mg/dl以下になると低血糖症状が現れ始めます。低血糖は最初に症状が起きた時にきちんと対処すれば、回復します。そのため、低血糖を恐れるあまり自分の判断で薬の量を調整したり、中止したりしないようにしましょう。


■低血糖の症状

・血糖値60〜45:倦怠感、空腹感、冷や汗、動悸、震え、悪心など

・血糖値45〜30:目眩、眠気、言葉が出ない、物が見えにくい、強い脱力など

・血糖値30以下:意識朦朧、けいれん、昏睡


■低血糖が起きた時の対処法

・ブドウ糖、ブドウ糖を含む飲料水、砂糖などのいずれかを摂取し安静にする。

・普通は速やかに短時間で症状が軽快してきます。15分経っても低血糖症状が続く場合は、再度同じものを摂取しましょう。

・車を運転している場合は、すぐに車を止めて対処しましょう。

・お出掛けの際に、お守りとしてキャンディー等手軽に食べられるものを持ち歩くのも良いでしょう。


糖尿病の方は血糖コントロールがうまくいかないと、高血糖や先程説明した低血糖になりやすいです。血糖が不安定だと命を落とす危険もあります。そのため、きちんとコントロールする事が大切になります。


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