「過敏」という症状は、触れられたところを中心に、ひどい時には全身にわたって緊張が起こるくらいの拒否反応を呈するもので、本人の意思とは関係なく現れます。過敏の原因はまだよくわかっていませんが、考えられる原因としては、感覚神経の異常のほかに、「外部からの刺激の少なさ」が挙げられています。従って過敏があるときには、刺激を与える前に、まずこの過敏を無くす必要があります。
過敏をとる方法を「脱感作療法」といいます。「脱感作療法」は、過敏のない部分も含め、過敏のある部分を術者の手を用いて広い範囲でしっかりと接触し、緊張が抜けるまで接触した手をずらさないよう保持します。そして、やがて緊張が抜けたところで、ゆっくり手を離すという方法で行います。具体的には、接触刺激に関しては、口腔周囲の筋肉のマッサージや、口腔ケアにて口腔内の清潔を保ち、きれいな唾液にて嚥下の練習をさせる、等の取り組みを行います。
●脱感作のポイント
・心理的か身体的か、どの部位に過敏(拒否)が存在しているのかを確認する。
・過敏が残っている間は、これを取ることに専念する。
・訓練の順序は最も正中に遠いところから始め、徐々に正中へ移行する。
・弱い刺激を、刺激部位を動かさず長時間続ける。
・手のひら全体を肌にしっかり圧迫するように当て、手をずらしたり離したりしない。
・食事時間以外の時に行う。
1日1分からで良いので、毎日同じ方法で続けます。好きな音楽や心地よい環境の中でできるだけ落ち着いた雰囲気で行えるようにします。 脱感作⇒歯磨き、の順番で行うと、いきなり歯磨きをするより不快感が減少し、歯磨き拒否が弱まるかもしれません。日々のケアの中で、触れる機会を増やすことも大切です。
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