臍帯血(さいたいけつ)バンク、お子さんがいらっしゃる方だと聞いたことがあるかもしれません。
〇臍帯血とは?
赤ちゃんとお母さんを結んでいるへその緒と胎盤の中にある赤ちゃんの血液を「臍帯血」といいます。
〇臍帯血って何に使われるの?
臍帯血は、造血幹細胞がたくさん含まれるため、正常に血液を作れなくなる患者さんに移植することで血液を作る力を回復させることができます。そのため、白血病などの病気治療に使われたり、脳性麻痺等の治療への研究もすすめられています。
〇臍帯血バンクって何?
出産の際に提供された臍帯血を、移植用に調整や保存を行い、医療機関へ提供する組織です。公的と私的のバンクがあり、その目的によって分かれています。公的な臍帯血バンクは公的臍帯血バンクに渡され、移植を必要とする第3者に提供されます。血液採取から10年間は移殖に使用でき、提供者の費用負担はありません。
一方私的臍帯血バンクは依頼者とバンクの契約となり、将来再生医療や移植が必要となった場合に、本人またはその親族に提供されます。採取費用や保管費用、保管期間はバンクによって異なり、依頼者が負担します。
〇臍帯血は出産するときにどこでも採取できるの?
公的臍帯血バンクに提供する場合は、提携している産科施設のみで提供できます。私的臍帯血バンクの場合は出産される医療施設や助産院で対応可能か相談することになります。
臍帯血の採取は赤ちゃんが生まれてきてから、胎盤が出てくるまでの間に行うことになります。臍帯血からの採血なので母子ともに痛みはありませんし、負担はほぼありません。しかし、出血が多く、分娩終了を急がなければならない場合や、臍帯血の必要量が確保できない場合など希望していても採取できないことも多くあります。
これからご出産予定がある方は選択肢の一つとして知っておくとよいかと思います。
Comments