【良性発作性頭位めまい症とは】
頭の位置が変化して内耳にある後半規管が刺激されると、それに反応して短期間の回転性めまい(動いたり回転したりしているような感覚)が生じます。
【回転性めまい】
自分自身か周囲のもの、その両方が動いたり回転しているように感じます。「頭位性」めまいとはたとえばベッドに横になったときや首を回したときなどに、頭の位置を変えたときに回転性のめまいが起こるという意味です。「良性」とはこの病気が危険なものではないという意味です。
【発症しやすい年齢】
年齢が高いほど発生しやすく、高齢の方では平衡感覚に大きな影響が起こることがあります。
【原因】
良性発作性頭位めまい症は通常、正常であれば内耳の一部分に収まっているカルシウムの粒(耳石)が剥がれて内耳の別の部分(後半規管が最も一般的)に入ったときに生じます。
【耳の内部の説明】
内耳には3つの半規管(上半規管・外側半規管・後半規管)があります。これらは平衡感覚の維持に関与しています。そのうち後半規管は剥がれた耳石が就寝中に重力によって最も入り込みやすい位置にあります。耳石がたまると粉っぽい泥状になり、それにより頭の位置を変えたときに後半規管の中にある液体の動きが大きくなります。結果、後半規管の中にある神経受容体が過剰に刺激され、動いたり回転しているような感覚が生じます。
【症状の特徴】・短時間の回転性めまい・吐き気と嘔吐
1.特定の頭位をとると回転性(または動揺性)のめまいが起こります。例えば起床・就寝時や棚の上の物を取る上向き、また洗髪のような下向きに頭を動かした際また寝返りなどでめまいが引き起こされます。
2.めまいは次第に強くなりその後に弱くなり、なくなっていきます。めまいの持続時間はわずか数秒~数十秒で治まります。めまいは開、開眼に関係なく起こることが多いとされています。
3.引き続き同じ頭位を繰り返すと、めまいは軽減または起きなくなることが多いとされています。
4.めまいには難聴や耳鳴などは起こりません。
【治療】
・薬物療法は一般的には推奨されていません。
・エプリー法:三半規管内の耳石を元の位置に戻すために行われる治療があります。
・今回は良性発作性頭位めまい症についてお伝えしました。エプリー法など自宅でできる体操もあります。まずは専門医に相談することをおすすめします。
【最後に】
・めまいは耳の異常だけではなく、脳の異常が原因で起こる場合もあります。めまいを繰り返していたり、難聴、耳鳴りなど他の症状がある場合、専門機関を受診しましょう。
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