認知症は、対応次第で症状を悪化させてしまう可能性があります。逆に安心感をあたえ落ち着かせる事もできます。今回は認知症の方への接し方についてお話ししていきます。
認知症の方は不安を抱えながら生活しています。そのため、安心感をあたえられるように接してみましょう。具体的には、話の内容を理解しやすいよう、ゆっくり優しい言葉で話すように心がけます。その際、相手の手を軽く握って笑顔で話しかければ、より安心感を持ってもらう事ができます。
また、短く簡潔に話すことも大切です。一度に複数の内容を話すと、認知症の人は混乱してしまいます。例えば、外出するときは、まず「着替えましょう」と声をかけ、着替え終わるのを待ってから「出かけましょう」と話すなど、1つ1つの手順ごとに話しかけましょう。
また、認知症の人は、次に何をすればよいかがわからなくなると、戸惑い不安になりやすいので、先回りして伝えるよう心がけましょう。無理に考えさせようとせず、答えを導いてあげると良いです。できない事や失敗してしまっても、非難しないようにしましょう。つい口調がきつくなってしまうことも時にはあると思いますが、相手との信頼関係を保つ意味でも、笑顔で接することが重要です。
■対応が難しい認知症の症状への接し方
◉被害妄想
→「お金がない!」「物を盗まれた!」等
被害妄想で訴える内容には、事実とは異なることで、重要な意味合いはなくても、気持ちを理解してほしい、話を聞いてほしい‥といった気持ちが隠れていることが多いです。
被害妄想への対応は「否定せずに認知症の方の話に耳を傾ける」「患者の感情に接する」こうした対応を行います。まずは否定せずに患者の訴えを聞き、一緒に探し、できれば本人が見つけられるようにします。共感することで、被害妄想が消えることもあります。
◉暴言・暴力
感情のコントロールが出来なかったり、周囲の行動を理解できない、自分の思いを伝えられずにイライラしているなど様々な要因が重なっていることが考えられます。
暴力をふるうことに対しての対応では、同じように力で対応することは絶対に避けしょう。怒ったきっかけを探るように共感しつつ、穏やかに話を聞いてみましょう。強く興奮しているときは、他の人に代わってもらったり、その場を離れてみます。しばらくすると冷静になっていることもあります。自尊心を傷つけない対応をすることが重要です。
◉徘徊
徘徊を止める対応は難しいことです。家の鍵をかけたり、靴を隠したり、といった対応をしたところで、裸足で出ていこうとしたり、2階から出て行こうとしたりして、事故に繋がる可能性もあります。ひとり歩きをさせないようにして、見守りのある外出が出来るような支援が重要です。しかし常に一緒に居られない事もあると思います。その場合は、玄関にセンサーを設置したり、GPS端末の使用が有効です。ポケットに入れたり、靴に付けておく事ができるタイプがあります。また地域包括支援センターなどに相談し連携しておくのも良いでしょう。
認知症は個人によって症状が異なります。今回お話しした対応方法が全ての人に当てはまるとは限りませんが、このような対応を参考に、認知症の方が安心して過ごせる環境作りをしていく事が大切です。また、認知症介護は介護者の負担が大きくなります。初期の段階ではこれくらいなら出来るということが多く、人に頼らず抱え込みがちになります。認知症介護と上手く付き合うために、早期から介護サービスの利用を検討し、家族内だけで抱え込みすぎず、外部の介護サービスを上手に利用し、介護者もサポートが受けられる体勢にすることが大切です。
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